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「花と鳥の万華鏡」と、松篁との出会い

息が白くなるほど冷えこんで雨が降る4月らしくない気候の中、美術展を3つわまってきました。

順番に「花と鳥の万華鏡 春草・御舟の花、栖鳳・松篁の鳥」@山種美術館(広尾)、「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」@サントリー美術館(六本木)、「マグリット展」国立新美術館(六本木)。

初めて訪れた山種美術館の日本画の企画展が印象に残っています。4月12日まで開催の「花と鳥の万華鏡 春草・御舟の花、栖鳳・松篁の鳥」という企画展を鑑賞。これまで日本画を鑑賞する機会を作らずにいたのがもったいないと後悔するほど、花鳥風月の奥深さを教えてもらえる楽しいひとときでした。

上村松篁と出会う

作品に一目惚れしてしまった画家がいます。それが上村松篁(うえむらしょうこう)でフライヤーの上部に作品「白孔雀」が掲載されています。展示されていた松篁のどの作品にも共通する、対象の優雅さや繊細な色調、構図の妙に惚れ惚れとしました。黄の花はハイビスカスです。日本画というジャンルに描かれていることが意外でした。

松篁の作品は5点ありましたが「もっと観てみたい!」というのが正直な思いです。松篁の母上の松園と、子の淳之と三代に渡って日本画を描き、奈良県の松柏美術館に作品がコレクションされているようです。必ず機会を作って訪ねようと思っています。

Google Art Projectはパートナーミュージアムの所蔵作品をアーカイブしています。松園、松篁、淳之3人の作品も多くインターネット上で見られるようになっていますので、ご紹介します。

松篁以外の作品について

松篁以外の作品も好きだなぁと思わせられるものは多数ありました。親しみやすく、良さのわかりやすい作品が多かったので観ていただきたく、作品が掲載されているページへリンクをしています。

速水御舟

速水御舟(はやみぎょしゅう)の「墨牡丹」は墨がにじむ特性を活かして描かれた花びらの表現が印象的です。色彩が抑えられても華やかな様子が伝わってきます。それから、娘の初節句のために描いたという「桃花」。多くの花がつぼみのままで、娘の成長に希望を感じさせる作品でした。

竹内栖鳳

フワフワとしていて思わず触りたくなる「みゝづく」は竹内栖鳳(たけうちせいほう)のたまらなく愛嬌のある作品。栖鳳に関して印象的だったのは「動物を描けばその匂いまで描く」というコメントがあったこと。

渡辺省亭

御舟の墨牡丹は見事でしたが、省亭の「蝶に牡丹」は細やかな描写にも見とれました。

菊池芳文

芳文の作品の中では、満開の桜を止まり木にする鳥の佇まいがかわいらしい「花鳥十二ヶ月」

最後に

日本画は高尚で難解というイメージでしたが、花鳥画は時代を超えても親しめるテーマで日本画の入口として良かったのだと思います。好きになってしまいました。花や鳥のことも知りたくなりました。画家たちの美しい一瞬を見逃さない観察眼や、微細な感情が伝わってくるようで楽しいものでした。何にも増して上村松篁との出会いがうれしい。最後は乃木坂方面へまわり、青山にあるウエストで甘いものと一緒に小休止。緩急のあるいい過ごし方でした。