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「大英博物館展」と200万年前から今までの工芸の歴史

上野にはなかなか行かないので用事の前に東京都美術館で「大英博物館展 -100のモノが語る世界の歴史-」を観てきました。イギリス・ロンドンにある大英博物館の膨大なコレクションの中から、100点が選ばれ、人類の創造の歴史をたどるという内容。

大英博物館は、1753年に8万品のコレクションからはじまり、現在は700万点にも及ぶコレクションを所蔵しているそう。イギリスの歴史というより、世界中から古いも新しいも問わず、たくさんの文化を所蔵することを目的としているそうで、世界最大の博物館のひとつに数えられるようです。

大英博物館展

こういった博物館の展示は歴史に造詣が深いほど楽しめるものだろうと思います。不勉強を後悔するのはこういう時ですね…。ですが、章ごとに導入として年表や出土地の地図があるのがインフォグラフィックとしてとても理解しやすかったです。世界四大文明は歴史の授業にありましたが、物の出土地も最初はそういった文明が興ったところから出土されていきます。そしてシルクロードの発達とともに文化が融合していく様子がわかります。

140万年前とは、気が遠くなるほど昔で想像をするのも難しいのですが、その頃にはすでに言語が使われていただろうという調査もあるそうです。紀元前600年頃の「古代エジプトの棺」には象形文字のような物が多く描かれていました。また「アラビアの手形奉納品」にはもっと文字らしいものが。この文字が何を意味するのか興味がわきました。当時は今よりも物や言葉に込められた力が信じられたいたのではないかと思います。だから、願いや祈りの込められたものだろうと想像しているのですが。

力のある民族、宗教、国家がマイノリティを飲みこむことは幾度となくあったのでしょうけど、工芸の歴史は広くて、深い、多様性があるからこそ興味が揺り動かされるのだと思います。気がつけば100点を観るのに2時間近くかけていました。

バンクスからマオリへの贈り物

バンクスのことは、今年鑑賞した「キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展」で知りました。クック船長の太平洋航海に同行し、タヒチ、ニュージーランド、オーストラリアなどで発見された植物を記録し、花譜集の企画をした人物です。この展覧会では花譜集とともに太平洋地域の民族資料、航海道具、古地図などが一緒に展示されていました。航海した人たちは現地の住民たちの持つ文化に敬意を持っているように感じました。

今回の大英博物館展では、バンクスが大航海から帰国して、持ち帰ったマオリのヒスイで作られたこん棒を元に、真鍮のこん棒を作りました。贈答用だったそうですが、バンクスがニュージーランドに戻ることはなかったようです。

東京都美術館が選ぶ101点目

最後に「101点目」として坂茂さんの紙管による建築が展示されていました。私が実際に見たことがあるのは、ニュージーランド・クライストチャーチの仮設大聖堂「カードボード・カセドラル」です。クライストチャーチのあるカンタベリー地方は2011年2月に大地震があり、1904年に完成し街のシンボルであった大聖堂は倒壊。残念ながら解体が決定しています。

紙の大聖堂 at ニュージーランド・クライストチャーチ

今回展示されていたのは避難所用の間仕切りで、紙管でブロックごとにカーテンをするもの。避難所での生活のプライバシーを守るものとして紹介されていました。もし日本発の物から101点目を選ぶとしたら紙管の建築は素晴らしいセレクトだと思います。TEDxTokyoにご本人が登壇した際の12分のビデオが紙の建築の活躍についてよくわかるものでした。こちらをご紹介して終えようと思います。ぜひご覧になってください。

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